元来美しい人
長身で華奢で髪がツヤツヤ。
お肌が荒れている所なんて一度も見たことがないし、誰もが振り返る美人の先輩がいる。
この先輩は普段どんなケアをされているのか、しょっちゅう聞かれるようだ。
でも本当に何も特別なことはしていないと言う。
絶対ウソだと思った。
高い美容液使ったり、ベジタリアンだったり、意識が高い生活を送っているんだと思っていた。
あるとき出張で一緒にお泊まりしたときに謎が説けた。
ほんとうに特別なことはしていなかった。
どうやら、何もしなくても元来美しい人のようだ。
スッピンの美しさにも改めて驚いたが、使っている美容液はなんと百円均一のもの。
一応頑張って様々なアイテムを使い、老いと戦いながらスキンケアをしている自分は何なんだと哀しく感じた。
女優さんやモデルさんなど、ずっとお綺麗な方は並々ならぬ努力はされているとおもう。
でも、きっと元来美しい人なんだろう。
つまり、凡人の私なんかには太刀打ちできないということ。
本当にこんな人が稀にいるもんなんだと思うと、不平等だなと悔しくなる。
ただ、不貞腐れるのは誰にでも出来るし、何より進化が無いので、自分らしさは何かを追及することにした。
ルックスだけが勝負どころではないが、多くの人は負け惜しみと考えるので可能性を潰してしまう。
出来る女とは気が利く女なのである。
私の人生
よく友達間で「もし今後他人の人生を体験できるならどんな人の人生がいい?」ということが話題になります。
まぁ、二十代ももうすぐ後半戦に入る女性達なので、出て来る内容はろくなものではないです。
まずは大体「とんでもないお金持ち」という意見が出ます。
中流かそれ以下の生活状態なので、やっぱりお金持ちには憧れてしまいます。
億単位の服やアクセサリーを身につけてテレビに出ている某姉妹のように、いい男を侍らせて悠々自適な生活が出来るなら、是非ともしてみたいものです。
次に出て来るのは「超絶な美人」といったところでしょうか。
バイト先の後輩男子が言っていた「女性は顔がよければ人生イージーモード」という言葉は、あながち間違っていないと思います。
顔さえよければ、それだけで周りからちやほやされますし、モデルなりタレントなりになって、それこそ自分の力でお金持ちになることも夢ではないですしね。
大体はこの二つの意見に帰結するのですが、ただ改まって考えてみると「でもまぁ今の自分の人生にそこまで大きな不満はないな」と感じてきます。
生活が出来ないほどお金がないわけでもないし、すれ違うだけで人から笑われるような顔でもないし。
更に言うならこれから長い人生、何がどう転んでお金持ちになったり、私のような顔が絶世の美女だと言われる世の中になったりするか分かりませんしね。
そう考えると、やっぱりこの先の人生は私自身のままで体験していきたいなぁと思えるわけです。
先が見えないからこそ人生は面白い、なんてよく言いますが、そう言い聞かせているだけで何だか楽しくなってくるような気がします。